心の薬

「風邪は万病の元」
よく耳にする言葉である

その風邪だが
ウィルス性のものと細菌によるものがあることは意外と知られていない

で、無知な患者の間で広まった変な常識が
『抗生物質を飲めば治る』
というもの

抗生物質はウィルスには効かないのである

なのにこの根拠のない常識がまかり通っているのは
病院にいけばとりあえず抗生物質をもらえるから
「抗生物質いりません」といっても「とりあえず飲んでください」
驚いたことに抗生物質を処方しない医者に疑問を持つ患者まで出てくるシマツ

そして抗生物質の乱用が生んだ副産物が
多剤耐性菌による院内感染
健康を維持するための医療が新たな病の温床になるとは皮肉なものだ

さて、心の病につける薬はあるだろうか
気を紛らす方法を探す、気持ちを切り替える、運動をする…
人それぞれいろいろとあるだろうが
そもそもそういう解決策を実行に移せるなら
いちいち悩んだりしないのである

とはいっても結局最期に解決するのは自分自身なのだが
そのときにたった独りで立ち上がらなければならないのは
冷たく孤独でしょう

誰にも頼らず孤独を感じずにいられる人なんているのだろうか
「人に迷惑はかけまい」
「前を向け」
「これしきのことが何だ」
自分に言い聞かせるたびに
自分が磨り減っていくのが分かる

どれだけ磨り減ろうと
何にもなかったような顔をするしかないのだ
頭では分かっているのだ

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